愛はジャスト

Sexy Thank You to the World

"Welcome to Sexy Zone"全曲レビュー&特典DVD感想

先日発売されたセクゾの新譜をやっとこさ聴きこめてきたので、ここらで全曲レビュー&DVDの感想でも書いておこうと思います。というか完全に慣れてしまっていてスルーしてたけど、"Welcme to Sexy Zone"ってタイトルすごくない?直訳しても意訳しても"セクシーゾーンへようこそ"だよ。春先にこぞって出没するトレンチコートの変態がコートの下に秘めたものをバッと開け放つ時に使えそうなタイトルですね。キレキレです。

以下ねちっこい感想が続きますが、このレビューは初回生産限定デラックス盤に収録されている曲についてのみです。お金は有限という不変の真理に抗いきることが出来ず全種は購入出来ませんでした。曲によってかなり文量に差がありますが、文の長さとお気に入り度合いがそこそこ比例しているので長い順に並べると大体好きな曲ランキングになるでしょう。

 

1.Welcome to Sexy Zone(Introduction)

ルパンや「真夜中は純潔」(椎名林檎)を思わせるアップテンポなジャズチューン。生バンドがひたすらカッコいい。聴いた瞬間、爆風に晒されながら背中合わせに拳銃を構え不敵に微笑む健人くんと風磨くんの図が浮かんだので、民放各位は早急にこれをテーマに怪盗モノ2時間ドラマを作って下さい。男版キャッツアイ的な。このアルバム、全体的にジャジーでおしゃれな雰囲気に仕上がっているのですがそれを印象付けるのにうってつけのインストだなぁと思います。そういえば私が初めてジャニーズのアルバム(JUMPのsmart)を聴いた時に一番驚いたことは冒頭にインスト曲が入ってることだった。

 

2.24-7~僕らのストーリー~

キック強めの重低音が特徴的な打ち込み曲。重め4つ打ちズンズンなイントロとは打って変わったサビのアッパーかつ吹き抜けるような爽やか感にOh!セクシーゾーン!となりました。セクゾはこういう展開の曲が多い気がする。

 

3.Celebration!

軽快なファンクチューン。純粋にいちジャズとして聴いていて楽しい。昨今の若手アイドルの楽曲といえば猫も杓子もEDMですが、こういう生音・生バンド路線もどんどん開拓してほしい。1曲目からバックバンドのレベルの高さに戦きましたが、この曲でもその実力がいかんなく発揮されており、実に贅沢なサウンドに仕上がっています。特にスラップの効いた弾むようなベースは非常に聴きごたえがあります。光く~ん!この曲のベース超カッコいいよ~!(永遠に届かない私信)

 

4.Cha-Cha-Cha チャンピオン

セクゾのファンでなくても耳にしたことがある人が多いのではないでしょうか。ファンファーレなシンセサイザーと「Come On ガンバレ」という呼び出しておいて突き放すような歌詞が印象的。まるで獅子の子落としである。

 

5.Love Confusion

一周目からガッチリ掴まれた曲。モダンジャズ調のピアノに軽やかなドラミング、情感たっぷりのストリングスにメンバーのしっとりとした歌声が絶妙に絡み合い、聴いていて心地良いです。穏やかな雨の午後に聴くと身体に馴染みそうな一曲。曲調もさることながら歌詞の古き良き昭和感もたまらないです。「その唇をキラリとさせる 月にさえも嫉妬しちゃう」という一節が特に秀逸。月が綺麗ですね!

 

6.Electrick Shock

この曲の感想を書きたいがためにこの記事をしたためたといっても過言ではない。現時点で最も聴きこんでる曲です。健人くんの「爆音のホォ~(※よい発音)ビ~ィ♪」や「気絶するくるぁ~いの反応見せてセ~クスィー…(吐息)」がツボすぎて、いささか古いネタであるのは承知だけどキタ─wwヘ√レvv~(゚∀゚)─wwヘ√レvv~─!!を召喚せずにはいられない。「誰もがずっとオッフッし・てた~~~感情へ入り込んでウォッ→オッ↑オッ→オッ↓オォ~~~↓」と酢豚に入ったパインのような激しい主張をかますWow Wowも好きです。

作詞者の方の曰く、磁気的・プラマイ・対比などをテーマに書かれたそう*1でそれを踏まえて聴くとワンランク上のドーパミン炸裂ステージに連れてってもらえますよね。だってこれ、ジャニーズお得意の「みんな!俺を恋愛対象にしろよな!」的な不特定多数のあなたに向けた歌ではなく、どこまで突き詰めても健人くんと風磨くんという対の関係の中で起こる物語なんですよ。すっごいよ

対というと、Heartの発音が健人くんはo(オー)寄りの発音なのに対し、風磨くんはa(アー)寄りの発音なのも二人の対照的な関係が際立っていてシビぃです。色々な面から「これがふまけん…!」と大変楽しませていただきました。

 

7.Last winter's night

勝利くんのソロ曲。「ファンに向けて書いた曲」とのことで、詞を読めば読むほど当時の彼の胸中を慮らずにはいられなくなる。

 

8.Sweety Girl

聡マリちゃん曲。サビは60年代のアメリカンポップスぽくて明るくて元気なんだけど、通して聴くと胸にほんのりと切なさが残る曲調。この曲に味を付ける権利を貰えたら絶対にラズベリージャム味にするってくらい甘酸っぱい曲。こんなかわいい二人に「他の誰にも君を奪わせない」なんてキリッと歌われたらそのギャップに完全に対象外のお姉さんもうっかりドキドキしてしまいます。

 

9.Make my day

イントロからアウトロまで徹頭徹尾クサいメロディーが全編を支配しており、聴きながらホッと胸を撫で下ろしました。前半は存外しゃれこんだ曲が多くて一人で勝手に戸惑っていたのである。これでこそジャニーズ。映画「黒崎くんの言いなりになんてならない」のタイアップ関係で歌詞もそれ仕様なんですが、「オレをスキになれ!」とか「洞窟あたり住んでたら男はみんな狩りに出かける!」など思わず(^.^)!?となる言葉が散りばめられており、聴いていて面白いです。

 

10.誰にも解けないミステリー

これこのまま次回の劇場版コナンの主題歌になりませんかね?もしくはイントロのシャラシャラシンセサイザーJR線の列車到着メロディーっぽいのでそちらでの使用も可。この曲、前トラックのMake my dayに続いて「私もタイアップ曲です」みたいな厚顔で出てくるんですが、何のタイアップでもないという…。万人受けする聴きやすくてメロディアスな良い曲なのに勿体ないです。あと間奏のギターソロがV系っぽい。

 

11.But...

風磨くんのソロ曲はどれも再生2秒で風磨くんのだって分かるからすごい。私がすごいんじゃなくて、彼のそのブレない音楽趣向がすごい。この曲も風磨くん好みのR&Bが基調となっていますが、サウンドアレンジは若干ダブステップっぽい。ごく個人的な趣味の話ですが、ソウルフルな歌唱×無機質な電子音という組み合わせが目玉ひん剥いて床をのたうちまわるくらい好きなので、風磨くんには今後もエレクトロ方面の音を積極的に取り入れてほしい。

 

12.Mr.Jealousy

健人くんソロ曲。タイトルが最高。個人的にこういう曲調の音楽に触れるのが初めてなので、再生するたび興味深く聴いています。健人くんのソロ曲はアルバム毎に違うテイストだから次はどんなのかなと想像するのも楽しみの一つになりそうです。

 

13.Easy come!Easy go!Easy love!

この終盤に来て名曲出ましたー!と思わず抽選会場によく置いてあるハンドベルを打ち鳴らしたくなる気分になる傑作。厳然たるElectrick Shock推しの私ですが、総合点で考えるとこの曲が一番ではないでしょうか。さらっと聴いても良し・繰り返し聴いても良しという世間でいうところのガム曲とスルメ曲の両要素を兼ね備えたまさに良曲。緩急は激しいけれどアガりきらないジャズ色の強いAメロ・Bメロを経て行き着く先のサビの視界が開けるような解放感は何度聴いてもクセになる。裏拍でリズムを取るのも楽しい。シュルシュル・シャカシャカ・キラキラなど擬音をふんだんに使った歌詞もアイドルっぽくてかわいい。満点。

 

14.カラフル Eyes

70年代のディスコミュージックを彷彿とさせる懐かしさ漂う一曲。アイドル×このテイストだとAKB48の「恋するフォーチューンクッキー」が記憶に新しいですが、自分はこういう雰囲気の曲が好きだということに気付きました。一聴すると地味だなぁという印象だけど、聴けば聴くほど渋みが滲み出てくる良質なスルメ曲。

~以下、超個人的な雑感~

平素から勝利くんほどの孤高の美貌を持って生まれた人にはたとえ台詞であっても「僕も君が好きだよ」とかそういう下々の民向けの言葉を安売りしてほしくないと思っているのですが、この曲の台詞はほぼほぼ心がこもっていないのでかえってめちゃくちゃときめきます。これすごい褒めてるからね!

 

15.フレンド

「この16曲の中からエンディング曲を選べよ。」みたいな問題が出題されたら8割くらいの人はこれを選ぶだろうなってくらいエンディング色が強い曲。しかし後ろにボートラが控えているので残念ながら完璧なエンディングでは無い。テストなら△の引っ掛け問題。

 

Bonus Track.無邪気な時間は過ぎやすく

駆け抜けるように続いた全16曲のラストを飾るのはJ-POPの王道のような切ないラブソング。柔らかなアコギの音色が胸に沁みる優しい一曲。

 

総評

バックバンドやマスタリング、メンバーの歌唱も含め個々の楽曲の水準が高く、普通にカッコいいです。ただ、この"普通"というのは良い意味でも悪い意味でもあるので、悪い方に取沙汰して言えばフックやパンチに欠けるとも言い換えられるんですよね。「Sexy Zone」や「ぶつかっちゃうよ」のようなフック要員、もしくは「Lady ダイヤモンド」や「Hey you!」のようなキャッチーさのある曲をもう少し投入しても良かったのではないかなと思います。今回の中からそういうのを一つ選ぶとするなら「Make my day」かなぁ。しつこいようだけど本当に普通にカッコいい曲が多くて、アイドルのアルバムをここまで噛み砕いてレビューする日が来るとは思いませんでした。ジャンルや用語はあやふやかつうろ覚えなので間違っていたらごめんなさい。

 

 

DVD感想

正直、レビューの時点で精も根も尽き果ててしまったのでここは手短にやります。

・24-7 Music Video

鏡張りの床に映った自分の顔を覗くメンバーにギリシャ神話のナルキッソスを感じたのは私だけじゃないでしょう。みんなが鏡に映った自分に口づけしようとして頭をぶつけて死んでしまうんじゃないかとハラハラしました。美は時として死を誘う。話は変わるけどこのセット、ディズニーランドのトゥモローランドエリアにありそうだよね。

 

・24-7 メイキング

衣装について尋ねられたラブホリ先輩「恋愛と一緒で第一印象で決まる。衣裳も分かる。この衣裳には第一印象で惚れた。」誰か今の議事録取ってー!

不意の股間タッチで大盛り上がりする5人の男子高校生感も微笑ましかったです。勝利くんの「すいませんちょっとセクシーゾーン事件が…」ってコメントが秀逸すぎて座布団持って行きたくなりました。

 

・壮絶Sexy寺修行

名前のインパクトに負けない期待通りの笑いをありがとうございました。リピート回数順でいくと、1位・地蔵zone2位・健人くんをナチュラルにdisるマリウス3位・聡ちゃんの「ストード」かなぁ。ジゾーンは反則。あとは風磨くんの貫禄すら覚えるトーク回しに末恐ろしさを感じました。健人くんも頭の回転速いけど、風磨くんもかなりキレるよね。10年後が良い意味で怖いです。それとちょっとビックリしたのはセクゾは結構下ネタOKなんだってことです。JUMPちゃん達、天界の法律で禁止されてるのかってくらい不気味なほどに下ネタ言わないからそこが新鮮でした。だってあの子たち、スッポンポンとかそのレベルの下ネタをカウコンの夜公演でちらっと喋ってキャッキャしてるんですよ。伊野尾くんは脱法下ネタ常習犯だけど…。

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と、かなり長くなりましたが言いたいことは概ね言い切れたので満足しています。多少の好き嫌いはあると思いますが、この内容でこのお値段ならかなりお得なのではないでしょうか。PonyCanyonのオフィシャルサイトで全曲試聴出来るので気になった方はコチラから是非!

by 販促意欲の高いオタク

*1:作詞者ケリーさんのTwitterより。