愛はジャスト

Sexy Thank You to the World

職場でオタクをカミングアウトするべきか否か

こんにちは。

どうでもいいですが私はこの春から社会人になりました。先日、自分のブログを見返しながら作者の人物像を想像するという小5の国語みたいなことをやってみたのですが、どう甘く見積もってもフットワークの軽いニート以上の答えが出ませんでした。タイミングが良かったのもあるけど、好きになってからコンサートに行くまでの速度が速すぎますね。いやぁ速い。レターパックプラスくらい速い。夏に就活を終えてから半分ニートみたいな生活に興じていたのは弁明しようのない事実なんですが、身分的には先月末まで一応大学生でした。他学部からは"あそ文学部"と揶揄され、文科省からは廃止学部候補として真っ先に白羽の矢を立てられる天下の文学部様実際に4年間遊び呆けてしまったため、私にこの汚名を返上する資格は絶無に等しいのですが、その辺の引導は後世の文学部卒業者の皆々様に叩きつけていただくとして、今日は私の話をします。

 

さて、タイトルそのまんまなのですが、新しい環境、つまり職場でオタクをカミングアウトするべきかどうかで非常に悩んでいます。そもそも私は自分の好きなことを人に話すのが苦手というか嫌いというか知られたくないタイプの人間なので、これまでもかなり仲良くなった人にしか自分の好きなことについて話してきませんでした。理由は後々書きますが、話さないというよりは話せないというほうが近いです。いつだかのらじら―で伊野尾くんもそのような旨のことを話しており、電波越しに激烈シンパシーを感じた覚えがあります。まず第一に「コレコレが好き!」と主張することによって、それに伴うイメージや先入観を持たれるのが嫌なんですよね。だって趣味ってある程度その人の人間性に直結するイメージがあるじゃないですか。分かりやすい例でいうと、スポーツが好きな人だったらアクティブなのかな、とか、本が好きな人だったら物静かなタイプなのかな、とか、ヴィジュアル系が好きな人だったら暗くて病んでで中二病でセンスがズレててちょっとイタい人なのかな*1、とか各種イメージがありますよね。なので私はバンギャルであることを誰にも言ったことがないし、この先も自分から言うつもりはないです。ちなみにジャニオタになる以前の私のジャニオタのイメージは、"普通の趣味がある普通の人"でした。イケメンが嫌いな人なんてこの世にいないし、何らかのきっかけでたまたま彼らに熱を上げてしまっただけの普通の人だと思ってました。けど実際片足を突っ込んでみて感じたのは、とんでもないバイタリティと無尽蔵の愛・夢・執着に溢れる人々の集まりなのだなぁということです。普通じゃないです(褒めてる)。

で、去年から稲妻の如く電撃的に私の趣味欄に加わった件の"ジャニオタ"ですが、ジャニーズにハマる前はジャニオタという肩書きを持つ人がめちゃくちゃ羨ましかったです。だって大体のタレントがテレビに出てるし、たとえ個人名が知られていなくとも"ジャニーズ事務所の"といえばそこは九分九厘通じるじゃないですか。初対面の人から「何が好きなの?」「何聴いてるの?」と尋ねられたとき、「多分言っても分からない」と答えるとどうしてもお高く留まっているように受け取られがちですが、本当に言っても分からないものばかり好きになっている身から言わせてもらうとこの問いはかなりしんどいです。まず自分を起点とした話題が全く広がらないし、自己を開示しないことによって対人関係についてものすごく閉鎖的な人間に見られる。よって相手の話から話題を広げるしかなくなるのですが、いわゆるコミュ障を患っている私的にはこれはかなり骨が折れる作業です。だからなんの屈託もなく「嵐が好き!」とか「いきものがかりが好き!」と言える子のことが眩しく仕方がなかったし、そういうメジャーなものを好きになれる星の下に生まれてきた人たちが心から羨ましかった。なんかイヤミっぽくなっちゃったけど、これは本当にそうです。人に話せるかつ分かってもらえる好きなものがあっていいなーってずっと憧れてた。

そんな生まれてこのかた石の裏側みたいなジメジメした音楽や映画や本ばかり好んできた自分がまさかエンタメの華であるジャニーズを好きになるなんて露ほども思ってなかったし、実際今でも何故こんなにハマりこんでるのか分からなくなる時がしばしばあります。やっと人に言える好きなものが出来た!とハマりたて1か月の頃くらいは会う人会う人に嬉々として、「ねぇ今Hey!Say!JUMPの伊野尾くんって人が気になってるんだけどみんな知ってる~?」と今日の星座占いの一位何か知ってる~?くらいの軽い気持ちで吹聴して回ってたんですが、2か月目くらいから徐々に様子が変わってきた。周りじゃなくて私の。段々口に出せなくなってきたのです。

最初に記した通り、私は自分の好きなものについて話すことが苦手です。もっと言うとその"好き"の度合いが増せば増すほど話せなくなります。趣味によるレッテルを貼られたくないとか説明が面倒くさいとか理由は色々あるけれど、一番の理由はそれを否定された時が怖いからです。自分が全身全霊を傾けて愛情も時間も金も注ぎこんでいるものを否定されたらまるで自分自身まで否定されたように感じませんか?いや私だけなら別にいいんですけど。割と受け入れられがたいものばかり嗜んで来たので、否定されるかもしれないってことが常に念頭にあるんですよね。で、結局なぜ口に出せなくなってきたのかというと、ジャニーズにかける労力の割合および優先順位がかなり高くなってきたからです。これは多趣味系オタクの宿命だと認識しているのですが、掛け持ちするジャンルやグループが何であれ、必ずどれを一番に優先するかを決めないといけない時期がやって来ます。どれもを均等に同じように愛しているつもりでも、その中での優先順位というのは絶対に存在する。よくよく思い返してみれば、伊野尾くん伊野尾くん♡と触れ回っていた頃はきっとそんなに好きじゃなかったんですよ。そしてじわじわと"好き"の度合いが増していった結果、ついには否定されると大ダメージを食らうほどに自分の中で大きな割合を占めるようになり、折角メジャーな趣味を手に入れたのにも関わらず結局人に言えなくなってしまった。これまで私が好きなものを公言出来ないのはマイナーなものばかり好きになってしまっているせいなのだと決めつけていましたが、とどのつまり私が好きなことについて話せないのは0から100まで私個人の問題だったということです。私がこれまで愛してきた歴代マイナージャンルの皆さんにはとんだ冤罪を吹っかけてしまったことをこの場を借りてお詫び申し上げます。どんなにメジャーなものだって否定する人は一定数いるしそれは当然のことです。要はいかに適切な距離感で好きなものそれ自体と自分自身のパーソナリティを分かつことが出来るか、ということに尽きる。これが私には結構難しい。

 

さて、やや話が逸れたので仕切り直します。今日の議題は職場でジャニオタをカミングアウトするべきか否か、です。ちなみに現時点でバレているのは、家族と学生時代の友人数名です。友人には先述の通り、1か月目あたりのまだ愛がライトな時代に酒の肴代わりに喋った時にバレました。これは自分からバラしたという方が正しいですね。家族についてはHDDという確固たる物的証拠を以てしてバレるべくしてバレました。これはもう覚悟を決めていました。いくら口で否定しても部屋にある大量のドル誌とCDをHDD持って裁判所に突き出されたら確実に負けます。一審有罪即審議終了です。家族にオタバレすることは時間の問題だと腹を据えていたので特にうろたえたりはしなかったのですが、JUMPが好きだとバレた瞬間に母親がぽつりと口にした「…こんなに綺麗な顔の男の子たちがいっぱい集まって何か起こったりしないのかな」というコメントが忘れられません。私はただただ真顔で「…分からない」としか答えられませんでした。後にも先にも母がJUMPについての感想を零したのはこれが最後です。あとは恐ろしくてとても聞けません。

実際バレてみた結果としては、正直かなりやりやすいです。家族には番組の録画を頼めるし、友達(オタ/非オタ含む)とも自然にジャニーズのことについて話せるので、単純に話題が増えて楽しいです。じゃあ職場でも言えば?という感じですが、それは話が違う。家族・友達は気心の知れた間柄なのでまだ良いですが、職場の人は誰がどんな人なのかさっぱり分からないし、何より一番恐ろしいのはいわゆる同担拒否系の人がいた場合です。そんな人に目をつけられた場合、こちらが下っ端だからかなり分が悪いわけですよ。コンサートの日の休み希望とか迂闊に出せない。じゃあ言わなきゃいいじゃん、という意見はごもっともなんですが、言った方が物事が円滑に進む場合もあるじゃないですか。この4月から初対面の人の前で名前と出身と趣味をオウムのように繰り返し言い続けてきましたが、こういう時に趣味の項目が実に貧相なことになります。当り障りのない国内旅行(※遠征)が趣味と言い張っていますが、観光地に詳しいわけではないのでなかなか無理がある。駅前の安いビジネスホテル、お得な予約サイトのご提案なら私にお任せください!なんてとてもじゃないけど言えないし。あと今後想定されるイベントの中で最も葛藤が懸念されるのは、同期や上司とカラオケに行かねばならなくなった場合です。J-POPは完全に分からない上にヴィジュアル系は大体歌詞がサムいしキーも低いしそもそもカラオケに入ってないことが多いので選択出来ません。ロキノンについては相対性理論凛として時雨が最先端だった時期を境に以降のバンドを全く追えていないので、何を歌っても中途半端に時代遅れになりそうで怖い。それに比べてジャニーズの楽曲のなんと歌いやすいこと。まず男性ボーカルの割にキーが高いから女性でも歌いやすいし、歌詞も大体落ち着いてるし(※ただし例外あり)、流行り廃りはあれど各グループに一つは代表曲というものがあるから困った時のチョイスに迷わない。

とはいっても、ジャニオタとバレるかただ単にテレビをよく見ている人かの分かれ目って絶対にあると思うんですよ。例えばSexy Zoneなら、かの有名なmildも地球の裏側じゃwildになる曲とかレッツゴーエビバディカモンガンバレとかは市民権を得てるような気がするし、この二曲ならオタクとはバレないはず(希望的観測)。でもさすがに初回盤Aにしか収録されてない曲だったらバレるよね…?その辺のボーダーラインが気になり過ぎて夜な夜な「実録!ここで上司(同期)の顔色が変わった!ジャニーズオッケーゾーン・アウトゾーン楽曲一覧!」みたいなブログを探してるんですけど一向に出てきません。真剣にこのボーダーラインについてご教授いただきたいし、もし実例が無いのであれば私が人柱になるしかありません。その時は胸を張ってオタクに殉死します。

 

…と5000字近く書いておいて何の結論も出ないまま幕を引こうとしているこの日記ですが、ひとまず暫くは黙っておこうと思います。さすがに1か月目からジャニオタをカミングアウトするのはやっぱりリスキーだし、万が一同担拒否のお局様がいらっしゃった場合には進退に関わります。もしもKARAOKE OR DEATHみたいな苦境に立たされた場合には、最近めざましテレビを見ているおかげで覚えてきた西野カナの曲を歌います。

*1:そうさ100%自虐。