愛はジャスト

Sexy Thank You to the World

輝いて今がある ~Sexy Zoneドームツアー2022 ザ・ハイライト感想~

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2022年8月14日の昼、私は横浜アリーナにいて、Sexy Zoneのコンサートを見ていた。いつも通り歌もダンスもカッコよく、いつも通り顔面も美しく、いつも通りケンティーの脚も5メートルあり、いつも通りキラメキが充満する空間で、ただ一ついつもと決定的に違う出来事が起きた。コンサート中盤、スッと暗転した会場にけたたましい非常アラームが鳴り響き、「えっ、地震?!」ととっさに死を覚悟した次の瞬間、メインステージの大型モニターには"12月16・17日東京ドーム、12月24・25日京セラドーム"の文字がデカデカと踊っていた。突然の出来事に何が何だかよく分からないままモニターからステージに視線を落とすと、広いステージの上でギュッと固まって抱き合う3人*1の小さな姿があった。その姿を見てようやく時差で理解した。あ、Sexy Zoneがドームに立つんだ、と。そう、この日は「10年待って、10年経って、10年願った」、まさに彼らの積年の思いが詰まった初のドーム公演の発表があったのだ。

それからの日々はというと、もう完全にドームまでの消化試合。寝て起きるたびにドームが近付くのが嬉しくて、120徹くらいすれば1回寝るだけでもうドームじゃね?と人類の限界に挑戦しかけたりしながら無事ドーム初日を迎えることが出来ました。

まず私自身、東京ドームという場所に行くのが初めてだったのでとにかく全てが新鮮だった。ゲート!?塁!?ナニソレキャッキャキャッキャ!!と目に映る全てが楽しくて、中の売店で東京ドームバーガーなるものまで買って食べた。浮かれすぎである。そんな抑えきれないワクワクを胸に入場した東京ドームはこれまでのどの会場とも比べものにならないくらい広くて、この広さの空間を埋める数の人々が安くないお金を払い、スケジュールを調整し、彼らのために集まるのかと考えると改めてアイドルってすごい…と感嘆した。

詳しいセトリはオタクライフラインことTwitterで調べて頂ければと思うのですが、まず1曲目からSexy Zone(曲)はアカンでしょ!こんなん泣いてしまうわよ!!! とウルウルしながらステージに目をやると、会場の誰よりも先に聡ちゃんが爆泣きしてて思わず笑ってしまいました。 世界一愛おしい出オチ!!! 他のメンバーは泣いてこそなかったけど、これまでのライブでは一度も見たことのない、夢心地みたいな表情でペンライトの揺れるドームの景色をぽぉっと見つめていて、人間って夢が叶った瞬間はこんな顔になるんだ…と、そう滅多にお目にかかれないものを見てちょっとドキドキしてしまいました。テンションが上がりすぎて全てが楽しくなってしまったのか、MCでオタクに「今日はみんな水道橋から来たのォ?!後楽園から来たのォ?!」この場でする話じゃないオブザイヤーなアンケートを取り始めていた健人くんの姿も愛おしい思い出です。

基本構成は夏のツアー"ザ・アリーナ"から80年代要素と夏要素を抜いた楽曲+過去のセクゾの代表曲を中心にセトリが組まれており、古参から新規まで平等に楽しめる楽曲群となっていました。 風磨くんがドーム公演について「誰も置いていかないコンサートを作る」と宣言していた通りの内容で、う~んさすがだなと舌を巻いた。レディダイやセクサマの当時の衣装を着て出てくるなどサプライズ要素を散りばめながらも基本に忠実な内容だったけど、男と三茶とカラアイと勝利の日までをマッシュアップしたクレイジーメドレーは衝撃すぎて高熱のときに見る夢のBGMみたいでした。 You said I said おーとーこ~♪って冷静に考えてどんな状況なんだ。

でも一番印象に残った曲はForever Goldだった。アルバム『ザ・ハイライト』の表題曲であり、ザ・アリーナでも構成の要になっていた曲だけど、ドームで聴くと意味合いが更に深まった。正直初めてこの曲を聴いた時は「ファーストデートに遅刻するのはさすがにアウトじゃね」以上の感想がなかったのですが、だだっ広いドームのステージの上で4人で肩を抱き合い、顔を見合わせぴょんぴょん飛び跳ねながら歌う姿を見ると、そんな感想は華麗に上書きされました。

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2017年のSTAGEは過去と向き合うためのようなライブだったと思う。少なくとも私はそういう印象を受けた。「この5年間色々なことがあった。具体的に言えば5人が3人と2人になり、お互いの時間を過ごした。みんなはよく可哀想って言ったけど、俺らはそんな風には思っていない。美化するつもりはないけど、あの時期があったからメンバーの大切さを知ることが出来た」とステージの上で語っていた風磨くんは、我々に語っている体ではあったけど、自分に言い聞かせているように見えた。過去は無駄じゃなくて、全てに意味がある、と。そんなSTAGEを経た翌年2018年のrepaintingツアーは「塗り替えるんじゃなくて塗り足していく。過去を否定せずに足していく」ことがコンセプトだった。Power of Runの「過去は燃やさない」のフレーズが何度も頭をリフレインする、意志と決意を感じるコンサートだった。そして2022年の今、ドーム公演を終えて一番頭に残っているのはForever Goldの「輝いて今がある」というフレーズ。私は彼らを最初から見てきているわけではないから、過去に意味があったか/無かったかは分からないし、そもそも当事者以外には裁判出来ない。でも今、こうして10年夢見たドームで眩しいほどに輝く今があるのは、良いこと悪いこと全て含めた彼らのこれまでの積み重ねの結果である。ドームで見るForever Goldは、「色んなことがあったけど"輝いて今がある"こと、それが全てだ」と身体全体で語らんとしているようなパフォーマンスだった。これまで彼らが引き摺って歩いてきた"過去"という名の鉛がついに内蔵、身体の一部になったと感じた瞬間だった。過去をしっかり血肉にして生きていく人たちの姿を見た。

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ケンティーが張り切りすぎてこのライブのために髪を青く染めるまでした京セラのクリスマスイブ・クリスマス公演も無事終わり、夢のような4日間の余韻が醒めやらぬ翌々日の12月27日、マリウスの年内での卒業が発表された。いつかはこういうお知らせが来るかもしれないと覚悟していたつもりだったけど、いざそういう状況に直面すると頭が鈍器で殴られたようにぐわんぐわんと震えて、言葉がひとつも頭に入って来なかった。文字は読めるけど脳が言葉を理解するのを拒否する、みたいな。正直これを書いてる今もまだ完全には受け入れられていないけれど、このお知らせで一つ分かったことは、このドーム公演が紛れもなく5人で辿り着いたものだったということです。執拗、と言っていいほどに「マリウス見てるー?」と問いかけていた風磨くんのその真意は、ファンへのリップサービス的に彼の名を口にしていたのではなく、本当に観客としてドームに来ていたマリウスに向けてのメッセージだったということが明かされた。卒業のお知らせを見た時は、あぁ結局5人の姿を見ることもマリに感謝も伝えることも出来ないままお別れか、と絶望の淵にいたけど、ドームにマリが来ていたということは、彼に一番見せたかったオレンジのペンライトで染まるDreamのあの美しい景色を見せられていたんだということに気付き、温かい嬉しさで胸が溢れかえった。あれは私達ファンが最後に出来る、最大限で最上級の餞だった。

そして悲しむ間もなく、最後のカウコンには5人で出ること、待ちに待った公式インスタの開設、5人旅の開催、5人で行なった無観客コンサートの配信が発表され、いったん整理させて*2状態になってるのが現在の私です。Twitter並の頻度で投下されるインスタや、セクシールーレットという珍事の登場のおかげもあり、「寂しい」という感情が芽を出しては「楽しい」に叩き潰されている状況ですが、それもこれも全部セクシーおよびセクシースタッフの抜かりない配慮のおかげだなとひしひしと感じます。出来れば永遠にこのままでいたいけど、どう足掻いたって2023年は来てしまうし、その日付が変わる瞬間に自分がどんな感情になってるか今は見当も付かないけど、一つ絶対的に確信を持って言えることはSexy Zoneのファンになれて良かったということです。これは3日後も10年後も絶対にそう思ってると自信を持って言える。

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「永遠とは言いません、あと少しだけ僕らに着いてきて下さい」とドームで何度も祈るように繰り返した風磨くん。永遠を信じるには私もあなたも大人になりすぎてしまったけど、きっと人生とは永遠であるかどうかより、「この瞬間が永遠に続けばいいのに」と願いたくなるような幸福な瞬間をどれだけ重ねられたかということに価値があるんだと思います。だから今この瞬間含め、永遠を願わせてくれる存在に出会えた私は幸せ者です。

Sexy Zone、ずっとずっと愛してるよ!!!!!Sexy Thank You forever!!!!!

*1:この日、勝利くんはコロナ療養でお休みでした。

*2:Sexy Zone公式インスタのストーリーにアップされ、24時間後に夢みたいに綺麗に消えたセクシールーレットより引用。